国士舘新体操部 大学生男子 活動報告
2024/12/11
■ドイツ遠征 Day8(Pforzheim本番)
本日は朝9時半Bensheimを出発し、Pforzheim(フォルツヘイム)へ向かいます。
少し不思議なことに、Pforzheimでのショーは「Gymmotion」ではありません。内容はすべて同じなのですが、「Emotion」という名称で開催されます。何やらスポンサー事情が絡んでいるようです。
そのためGymmotionの公式サイトにこの公演は掲載されておらず、日本で予定を確認していた際に、この日は休みだと勘違いしました。ドイツに到着し、この話を聞いたときに
(休みはなしか…)
とみんな心に思い浮かべました。
会場に到着し、天井が高く、観客席が前後にある体育館に入ると、2019年のGymmotionの記憶がよみがえってきました。それは当時選手であった向山蒼斗が本番中の投げを行った際に、突然停電したことです。
投げた瞬間に電気が落ち、2秒ほどで復電したのですが、気づいたときにはスティックはフロアに転がっていました。
本人はもちろん観客も驚いたハプニングです。
今日は何もないことを祈りながらミーティングと練習を行います。
また、嬉しいことにこの会場の近くで大きなクリスマスマーケットが開催されていたことも思い出しました。練習終了後、出演者たちと一緒に足を運びます。
昼から夕方にかけての時間帯だったため、人通りも多く、活気溢れる雰囲気に選手たちも喜びの表情を浮かべます。
ドイツならではの本格的なソーセージや、クリスマスマーケットでしか手に入らない小物などもあり、ひとときのドイツ観光を楽しみます。
さて、体育館に戻り19時になりました。
いよいよ本番が始まります。
最初にまず共演者紹介です。
このショーに欠かせない音楽を生で演奏してくれる2人。ブライアンとホセによるドラムアートです。ショーのオープニングの際にも、彼らのドラムのリズムに合わせて選手たちが入場します。
また、ショー内でパフォーマンスをする選手たちに合わせて演奏したり、入場時にも音を奏でたりします。ショーのメリハリを出すためにもとても重要な役割です。
特にブライアンはショー以外のところでも存在感を発揮し、バスの中などで会話の中心にはいつも彼がいます。
とても人当たりがよく、おしゃべりで少し抜けているところがある愛されキャラです。
演技会2日目の場所では、連泊にもかかわらずホテルをチェックアウトしてしまい、荷物を全て持ってバスに乗り込もうとしたときに、自分の間違いに気づき慌てていました。その後も寝坊したりバスの中でビール瓶を割ったりと、毎日といっていいほど何か小さなハプニングを起こし、それが話のネタになる人物です。
さて、ショーの報告に戻ります。
本日も会場は満員御礼。
「Gymmotion」であろうが「Emotion」であろうが、平日にもかかわらずたくさんの人が会場に訪れます。日本でこのようなショーを開催したとしても、平日に満員になるとは考えられません。日常生活でのメリハリを大切にするドイツの国民性を羨ましく感じます。
今回トップバッターを任された長縄。
国内外問わず人気のこの演目をトップに配置した運営はGood job!
ショーが始まり、観客たちのボルテージを上げるためにも重要な役割を十分に果たしています。
そして今日も選手たちは良い演技をしてくれました。
続いては個人。
最初は大塚幸市朗のロープです。この演目は、昨日のBensheimでも演じましたが、天井が低く非常に苦労しました。
しかし、本日の天井は全く問題ない高さです。
とはいえ、演技をコロコロ変える事は、選手にとっても安定感を欠いてしまうことにつながるので、内容はそのままで望みます。
タンブリングを決めるたびに、観客から大きな拍手がわきます。
第二タンブリングで着地の乱れがありましたが、演技の流れが途切れることなく最後まで演じ切りました。
最終日はリング。本人にとっても満足のゆく演技で締めくくってもらいたいと期待しています。
続いては野村壮吾のクラブ。
前回ノーミスした際に、大きな拍手が湧き起こり、大盛り上がりだった演目です。
今日も良い演技で会場を盛り上げにいきます。
ところが音楽がスタートした直後、その異変に気づきます。
(この音楽…!?大塚のロープの曲では!!)
そうです。
先ほど演技した大塚のロープの曲が間違えてかかってしまいました!!
音響席に走り、すぐに曲が間違っていることを伝えます。
音響担当も驚き音楽を止めようとしたそのとき、振り向くと、なんとそこには!曲に合わせて踊り出している野村壮吾の姿が!
今度は一転、
「Don't stop the music!(曲を止めないで!)」と指示を出します。
そこからは全員で見守るしかありません。
野村は先輩である大塚の曲に合わせてクラブの演技をします。
所々ポイントに合わせながらアクセントをつけ、想定外の事態に対応していました。
大塚のロープと野村のクラブでは演技時間が異なるため、ラストタンブリング直前に音楽が終わります。それも考慮し、ラストタンブリングをカット。そのままラストポーズに移行しました。
おそらく観客からしてみれば、「同じ曲が続いたけれどそういうものなんだろうな。」
といった感想だったと思います。
しかし、運営や私たちにとっては本当に驚く出来事でした。
曲が違うにもかかわらず、最後まで演じ切った彼を褒めるしかありません。
他の出演者たちもこの出来事に気づき、彼の対応力を讃えます。
演技終了後、本人に聞いたところ、開始直後に音楽が違うことに気づき、一瞬演技をしないことも頭がよぎったそうです。しかし「きっとやり直しがないだろうな」と判断し、そのまま音楽に合わせて演技をしたとのこと。開始数秒でのこの切り替えは大したものです。
選手にとってはこれほど長く感じる1分30秒はなかったと想像しますが、ノーミスで演じきった対応力は見事なものでした。
2019年の向山蒼斗に続き、今回も「何か」が起こってしまった会場でした…
さて、これ以上何かが起こってほしくない団体です。
運営と私たちが見つめる中、団体演技がスタートします。内容は昨日と同じですが、油断は禁物です。慎重にかつ大胆に一つ一つの演技をこなし、今日もミスのない演技を披露します。こちらにきて団体は毎日全通しです。本当にきついと思いますが、選手たちは文句ひとつ言わず、自分達の役割を果たします。確実に強くなっていると感じています。
さて、本日もショーが無事(?)終了し、帰りのバスの中で、責任者の一人であるステファンが、「Amazing Japanese guy! He was professional today! Applause!(素晴らしい日本人選手!彼は今日プロフェッショナルでした!拍手を!) 」と讃えてくれ、車内は盛り上がりました。
そんなこんなで、いよいよ残すところあと1公演となりました。
明日は初めての演技地、フランス。選手と共に最後まで気を抜かず、やり切ると誓い明日を迎えます。
※本日の演技のショート動画はこちらです!
https://youtube.com/shorts/z6JOcq_JvrE
※国士舘大学男子新体操部のInstagramを開設しました。
ドイツでも沢山の人に「InstagramやXのアカウントはないのか?」と聞かれたため、満を持してのスタートです。運用が難しいと考えて手を出していませんでしたが、今後は少しでも私たちの情報を発信していきます。
皆さま是非登録お願いします。
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