国士舘新体操部 大学生男子 活動報告

2024/03/06

■2024年滝修行!!

少し時間は経ってしまいましたが、2月26日に毎年恒例(?)となった滝修行に行ってきました!

 

前日まで雨が降り続いていたため滝行可否の確認連絡をしたところ

「滝の勢いは去年の1.3倍ぐらいです。滝行としては全く問題ありません」とのこと。

今回は23名が参加した滝行の一部始終を少しドラマチックに書いてみました。

 

昨日までの雨はやみ青空が広がる午前9時半、気温約10度、高尾山口駅に集合し一路滝へ出発

強風予報が嘘のように、風もなく少し暖かく感じる

IMG_8526.JPG青空.png

森に囲まれた登山口に差し掛かり、空気が澄んでくると体感気温がぐっと下がる

山を登り鬱蒼と茂る木々の中、遠くに滝の音が聞こえてきた…

(ん?滝の音が昨年よりも大きい?)

少し歩くと谷間に姿を現した滝を見て学生たちは

「え?1.3倍?5倍じゃない??」

との声があがる…

前日までの雨の影響で水量がかなり増えていて、見た目にも昨年より過酷さが増しているのは一目瞭然だった

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一年ぶりに訪れた高尾山琵琶滝

山間に囲まれた静かなお寺の横で滝が流れ落ちる音がこだまする

ほどなくして今年もお世話になる主管の鈴木乘然氏に再開した

行衣(ぎょうい)に着替えている際、鈴木主管にお話を聞いたところ

「昨年よりは滝の勢いは強いですが大体これで平均ぐらいですね。もっと大変な時は雨や雪が降ってもやることがあります」

それは大変ですね…とのこちらの言葉に

「修行ですから」

さすがです

 

皆が行衣に着替え、寒風吹きすさぶ晴天の空の下いよいよ滝行が始まった

まずは鈴木主管の説法を聞く

「修行は決して無理をしてはならない、無事に帰り今日得た経験を日常に活かすことが大切」

言葉一つ一つが心に沁みいる

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「南無大聖不動明王」

(なむだいしょうふどうみょうおう)

今回訪れた高尾の山にある「薬王院」は真言宗

そこで祀られている仏さまの御名である

今回の修行の中で常にこの明王の名を唱えることにより、修行する身も一段と引き締まる

 

説法が終わり次は口の清め

南無大聖不動明王と唱えながら少量の塩を口内に塗り込み、冷たい水で洗い流す

続いてはご本堂の前で鈴木主管のお経に合わせ「南無大聖不動明王」を大声で連呼する

高尾の森の静寂を破るように響き渡る我々の声、幾度も唱えるうちに、心の中で少しずつ修行に向かう心構えが整っていく

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お経が終わり、いよいよ行場に向かう

行場には素足で入るため、入口で靴を脱ぐ

鳥居をくぐり、一歩踏み込むと、自然にさらされたコンクリは冷たく、足の裏から頭の先まで冷気が突き抜ける

改めて、この修業は自然を相手にしているのだと痛感させられた

 

蝋燭に火を灯し、一人ずつ行場の中にある棚に供え、順番に23名全員が行場に入り4列に並ぶ

いよいよここからが本番だ

 

塩壺に手を入れ両手いっぱいに塩を握りこむ

全員が順番に塩を握る間もジッと直立姿勢を維持しなければならい

脚の裏の冷気が全身を駆け巡り、身体の芯を突き抜け、全員が握り終える頃には地面が消え、自分が立っているかわからなくなる程に感覚が麻痺してくる

 

次は握りこんだ塩で身体を清める

「南無大聖不動明王」と唱えながら右手、左手、右足、左足、身体、頭の順で塩を塗り込む

最後に残った塩を地面に撒き足の裏も清める

 

ここからは順番に滝の中に入水するが、その前にバケツ一杯に汲んだ水で再度右足から順番に水をかけていく

既に凍えている身体は更に冷たさを増す

右手、左手、右足、左足、身体と水をかけ最後に残った水を「エイ!」の気合と共に頭からかぶる

水浴び.png

続いて滝横に鎮座する先人たちを祀る廟(びょう)に柏を打ちながら、南無大聖不動明王を7回唱え最後の決意を固める

覚悟は決まった

滝の前では「滝を開く」ために鈴木主管がお経と塩、お酒を撒きながら滝行の無事を祈る

一人ずつ順番に滝の下まで移動する際に足先に感じる水の冷たさに決めていたはずの覚悟が揺らぐ

水温は3度程度と聞いていた

既に身体は冷え切っていたが、寒さにはもう一段階上があるのだと知ることになる

滝壺に鎮座する大きな石に手をかざし、上から流れ落ちる滝の水を頭から浴び、南無大聖不動明王と数回唱えてから石の上に座りその背中に水量の圧を感じる

全身に滝の水を浴びると、意識が身体から離れていく感覚に陥った

必死に意識を保とうとするが、自分がいま滝を浴びているのかいないのかわからなくなる

数十秒ほど滝の水を浴びると頭の芯でキーンと音が鳴り、その中に必死に声を張り上げ「南無大聖不動明王!」を連呼する自分の声が混ざっていることに気づく

数秒、数分、数十分もはや時間の感覚はわからない

ただ一心不乱に経を唱える

ほどなくして鈴木主管から足を叩かれ修行が終わりを告げる

滝から這い出るように抜けだし一礼をしてからまた、滝の横にある廟に柏を打ちながら南無大聖不動明王を7回唱え行が終了した

 

行衣を脱ぎ着替えをしている際に、ふと鈴木主管の説法を思い出す

「滝行が終わり服を着た際に皆さんはきっとたった一枚の服でもこんなに暖かいのだと知るでしょう、その際に作っている人のこと思い浮かべ感謝の気持ちを持つことです」

全くその通りだ

たった一枚の服にこんなにも温かさを感じることに心から感謝の気持ちが湧く

 

時間差はあったが全ての学生が無事に行を終えた

今回も得るものがたくさんあった

昨年から取り組み始めた滝行、非現実的な取り組みではあるが「心身共に鍛える」をまさに地でいく修行だ

僧侶の日々の修行の一部に触れることが日常をより豊かにしてくれると感じた

可能な限りは今後も続けていきたいと考えている(身体がもてば…)

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最後に滝行のあとの高尾そばはやはり最高でした!

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